不動産投資はリスクだらけ。安定志向のひとならやらないほうがいい。
超安定志向の人はこれ以降読んでも時間が無駄になる可能性が高いことを先に伝えておきたい。
良く比較される「ワンルームマンション投資」VS「一棟投資」。
先にも言った通り、いずれにしてもデメリットを全てまずは理解することから始める。そのデメリット、リスクを理解した上で、もし納得できるのであれば不動産投資をはじめても後悔はほぼ無いだろう。
いま問題になりがちなのは、一般消費者が、名簿業者からの流出や駅などで名刺を交換し、電話営業などで浅い知恵のまま投資物件を契約していること。電話や契約の時にはリスクはあまり伝えられず、結果良いことばかりを鵜呑みにしている傾向だ。不動産投資会社としてはリスクをいいすぎないことは当然だろう。マイナス面ばかりを言ったらとても購入してもらえない。営利企業として成り立たなくなる。
不動産投資の相談を個別に月に4件ほど受けているが、話の結果購入まで進む人は75%。4人に3人は購入の決断、1人は買わないという決断をする。それは当たり前のリスクを知ることで、自分自身に合うあわないを理解できるからだろう。
「ワンルーム」「一棟」5つの項目を比較
「一棟所有」か「区分所有」か。入門編として5つの判断軸を書く。
実質利回りを見る
不動産経営を行う際、重要になるのが「実質利回り」。よく「表面利回り7%」みたいな表記があるが自分はほぼ無視している。
表面利回り=収入÷取得費
重要なのは上の「収入」を計算するとき。表面利回りは収入そのまま。実質利回り計算の時は、ある程度の出費を差し引いてから「収入」とする。これが重要だ。
区分所有の場合、月額で発生する「管理費・修繕積立金」、年額で発生する「固定資産税」を収入より差し引く。
一棟所有の場合、約10年おきに発生する「大規模修繕費」を月割りで、月額で発生する「共有部分の電気代等」、そして年額で発生する「固定資産税」を収入より差し引く。
細かく見ればもっと収入から差し引くべきものはあるが、大きくは最低でもこれらを差し引いてみておけば良い。通常は「月額の費用」が多いワンルーム投資の方が実質利回りは厳しい傾向だ。
取得費は「物件価格+諸費用+不動産所得税」。これは中古と新築で特に諸費用部分が大きく異なる。
裏にある差し引かれるコストをどこまで把握できるか。不動産会社、営業マンをしっかり利用して最初に算出してもらうことがカギだ。
投資のしやすさ、発展性を見る
区分所有では一室で投資できるから初期費用がおさえられる。
一棟所有では初期費用が高額となる。
どちらが良い悪いの前に、資金力がなければそもそもワンルーム投資から。資金力があれば一棟所有も検討。という選択肢になる。悲観せず、可能な選択肢の中からベストを選んでいけば大きく失敗することはない。
実際にはワンルーム投資だと融資も比較的通りやすく複数所有戸の所有も現実的だ。
一棟投資は最初から複数戸所有。資産形成のスピード感が全く異なる。
空室リスクを見る
区分所有の場合、賃借人が退去すれば収入は一気にゼロ。複数所有していれば同時期に全て空室になるリスクは軽減できる。
一棟所有の場合は、すべてが同時に空室にはなりにくいので部屋数が多い分最初からリスク分散がされている。
全室「空室」となりで賃料がゼロになることはあり得る。と銘じて始めるべきだろう。
エリアの人気度や人口密度、賃料設定の見極め次第でその「空室」期間を短くすることはできる。
災害リスクを見る
区分所有でも一棟所有でも、超大地震がおきて物件が倒壊すれば「収入ゼロ」になり融資支払いだけが残る。極端に低いがその可能性はある。嫌なら購入しないこと。
もしくは地震保険に加入することでリスク回避をすることはできる。
一棟所有だとその場所が災害を受ければ全部屋影響を受けるが、区分所有であればエリアを変えて複数所有することで災害に対してのリスク軽減を行うことができる。
一棟所有を考えるなら多少高くてもそもそも安全な地域や人気エリアを最初に選ぶのもリスク回避だ。その分、分母の取得費は高いわけだから実質利回りは低い。
少々危険な地域なら取得費が抑えられ実質利回りは高くなる。自分がどちらのタイプかを納得して納得できるほうの「リスク」を買いにいけば良い。
土地の所有
区分所有の場合はそのマンション一部屋ずつにわずかな土地持ち分が割り当てられる。
一棟所有の場合は、その建物の下の土地を同時に所有することになる。災害があった際、「土地」だけは価値ゼロにならずに残る。「建物」は無くなってしまえば価値ゼロだ。また一棟所有の場合は土地をそのまま所有しているので担保評価が高くみられ(銀行からみると土地は安全)、その土地で更に融資を引くことも視野に入る。
まとめ
メリット・デメリットは区分所有にも一棟所有にもある。ワンルーム投資には手を出すな。とか一棟所有には気を付けろ。だとか、いろいろなサイトで比較されている。
どちらでも成功者はいる。どちらでも失敗者はいる。
「目利き」と「寄り添ってくれる営業マン」をどう選ぶかが成功を大きく左右する。
不動産投資はリスクだ。リスクの分だけメリットがある。
実質利回り4%の都心の新築ワンルームがあったとすると、マイナスにも4%程度のリスクがあると思ったほうがよい。逆に激安の山奥の実質利回り20%のロッジ物件があったとすると、マイナスにも20%程度のリスクがあると理解するべきだ。一度入居者が退去したら都心新築ワンルームのようには次の入居者決まらないはずだ。
不動産投資が初めてで経験が浅い人には安全で割安に参画できるワンルーム投資が始めやすい。実際にやり始めると確定申告や経費申請含めかなり勉強になる。ただし物件選択の目利きはかなり重要。
資金力がある場合や多少不動産投資をしたことがある人は一棟所有にチャレンジをおススメする。不動産投資の醍醐味は戸数が増えること、その分リスクも買うことになるが、やはり賃料収入が増えることにはロマンがある。
中古か新築かでまたメリットデメリットは変わってくるが「ワンルーム」か「一棟」かで比較をするとまずはこのような形だろう。