リーマンショック以来、首都圏のマンション価値は堅調に上がってきた。上がってきすぎたという見解もあるがマンションを売りに出せばある程度の金額で売れてきた。
しかしながら、なかなか売れなくて困っている人も一定数いる。
- マンションが売れるまでの平均的な期間はどのくらい?
- マンション売却での値下げのタイミングっていつなの?
- マンションがなかなか売れない。どうして?
- マンションが売れない時の具体的な対処法ってあるの?
どれかに当てはまるようであれば是非この記事を読んでほしい。
これらの疑問を払拭すべく、これまでのデータと15年間の不動産売買の実務経験の観点から、なかなか売れないマンションの理由や、どうすれば売れるのかを徹底解説する。
具体的には
- マンションが売れるまでの平均的な期間
- マンションが売れない理由
- 売れないマンションを売るためのコツ
の順で説明していく。
マンションが売れるまでの平均的な期間は6ヶ月~1年未満
調査年代 | 平均売却期間 |
2015年 | 6か月 |
2017年 | 7か月 |
2020年 | 6か月~1年未満 |
年代別に見た平均売却期間はこうなっている。以下それぞれの元データを見てみよう。
2015年/アットホーム:「中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査」によると
マンションの平均売却期間は6か月。(戸建ては11か月となっている)
2017年/東京カンテイ:「中古マンションの価格剥離率(首都圏)」で見た場合
3ヵ月経過で売れるマンション67.3%。結構売れてる。
7ヵ月経過で売れるマンション90.5%。ほぼ売れてる。
最終的に12ヵ月目で売れるマンションが100%と、データ上「売れないマンションはない」形だ。ちなみに東京カンテイは売却中止したケースなど加味していない。
2020年/ホームズ:「住まいの売却データファイル」では
2020年ホームズの「住まいの売却データファイル」によれば、
売却期間6か月未満では43.2%。
6か月~1年未満までで77.1%。となっていてこれが平均値だ。
過去に比べて売却期間が長期化しているが、各年代を見てもマンション売却には少なくとも平均6か月かかるということは見て取れる。
なぜ6か月もかかるのか。
大前提として売主は「少しでも高く売りたい」、買主は「できれば安く買いたい」という力が常に働いている。即日まとまる契約があればどちらかが譲歩しているときだ。
これまでに100件の売買取引に携わってきた経験でみると、
3か月以内で売れたマンションは約30件。
4~6か月以内が約40件。と大半を占め、残り30件はほぼ1年以内だったが、さらに長期化して2年近くかかった案件も5件ほどあった。
実務としてみた場合、3か月以内で案内が合計3件に満たないものは価格や室内状態など何かしらが大きく相場から外れていると思った方が良い。
仲介経験者として、もし自分の住んでいるマンションを3か月で売るとしたらどうするか。
1)一般買主向けの売却査定額と業者向けの買取価格。この2種類の金額を最低3社に聞く
2)この金額から3か月以内で売れそうな相場価格を自分なりに算出する
3)反響が入る程度で、相場価格から気持ち上乗せ価格で売り出しする
4)3か月までの反響の中から一番合いそうな買主に合わせて価格交渉をまとめる
こんな形だろうか。
通常は不動産会社に言われてまずは高く売り出しましょう!的になっていることは多い。
値引き代も考慮に入れ相場価格から10~20%位上乗せして売り出しを始めていれば最初の3か月でバンバン売れるはずもない。
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「7か月目」がマンション売却での値下げのタイミング
カテゴリ | 購入希望時期 |
中古マンション | 7~12か月以内(72.9%) |
6か月間売れなかったら、思い切って価格を「相場」に近づけよう。そのタイミングは7か月目だ。
理由を見ていこう。売れない理由は買わない理由と等しい。真意にたどり着くため、マンション購入希望者のデータをもとに解説していく。
こうなっており、
購入希望時期は7か月~12か月が39.4%と最も多い。
また購入に際して重視するもの(決定決断に寄与するもの)は「価格」が約半数を占める。
「タイミングよく。納得の価格で」買主に提示することが出来れば、話がまとまりやすくなるのは当然だ。
購入者の心情をみれば、価格が高すぎれば反響は入れずにまずは静観だろう。買いたいユーザーであればその物件が「ブックマーク」や「条件登録」には入っている可能性がある。そのターゲットに向かって売却するには、購入検討者が最も重視している「価格」を「相場」に近づけ「タイミングよく」提示することが重要だ。
この相場に近づけるタイミングとしては「7か月~1年以内に購入したい39.4%」を狙って7か月目に値下げにトライする。
売却に関する媒介契約は3か月更新が一般的。2回更新して6か月でも売れていないなら、7か月目に不動産会社を変えることも売主のタイミングとしてはやりやすい。
改たな不動産会社で査定し、不動産会社変更と同じタイミングで値下げすることをオススメする。
マンションが売れない理由はズバリ3つ
- 内見後、思っていたより物件の印象が悪い
- 他の売り出し中の似た物件と比べて価格が高い
- 不動産会社がロクに働いていない
売れない理由はこの3つに集約される。売れない理由は「買わない理由」だ。
ここに、中古マンションの検討をやめて、新築マンションを購入した人の意見TOP3の調査結果がある。まさに「買わない理由」だ。
●新築のほうが気持ちよい(42.9%)
●価格が妥当なのか判断できなかった(32.6%)
●リフォーム費用で結局割高になる(28.3%)
※出典:リクルート住宅総研「既存住宅 再考」n=368
裏を返せば
●中古でも気持ち良ければ売れる
●価格が妥当だと判断できれば売れる
●リフォーム費用を出しても割高にならなければ売れる
ということだ。
新築マンションでも中古マンションでも「室内状況」「価格」「設備」の3つのバランスが購入には大きく響く。要は、価格と物件を照らし合わせて、納得できれば買う。納得できなければ買わないということだ。
新築マンションは価格が高いが売れている。「室内状況が良い」「設備が良い」「価格が高くても仕方ない」のように納得しているわけだ。
中古マンションも「室内状況」「価格」「設備」のバランスが大きく外れていなければ購入へと至る。購入へと至らない理由は納得感がないわけだ。売れない理由3つを細かく見ると以下のようになる。
- 室内が思っていたより汚かった
- リフォーム費用が思っていたよりかかりそう
- 想像していたより眺望が悪かった
- 近隣の類似物件と比べて高い
- 平均の坪単価と比べて高い
- キッチン等の水回り、フローリング、壁紙など室内状況を実際にみて割高に感じる
- 広告活動が甘く、そもそも多くの買主に宣伝できていない
- 物件知識、地域知識が甘く、接客時に買主の信頼を勝ち得ていない
- 「室内状況」「価格」「設備」のバランスを買主に説明できていない
マンションが売れない時の具体的な対処法3つを解説
- 思い切って不動産会社を変える
- 物件の印象を正確に伝える
- 時期を見て価格を一気に調整する
なかなか売れないときはこの順番で対処する。売れない理由を改善すれば良いわけだが順番に注意してほしい。まず「不動産会社の変更を検討」が一番目になる。それぞれどうすれば良いか詳しく解説していく。
- 一括査定等で改めて査定を依頼する
- 会社の看板の大きさではなく営業担当と話して選ぶ
- 「この人から買いたいな」と思える人を判断軸にする
- 夢のような高い査定価格ではなく売れる金額をしっかり聞く。できれば買取価格も聞く
- 特にデメリット部分をクローズアップして写真等で先に公開してもらう
- 押入れの奥行、壁紙の落書き、水回りのシミ等どうしようもないものは先に見せる
- デメリット部分はテキストコメントであえて書いても誠意が出る
- 「思ったより悪い」と言わせない対応を先にできる限り行う
- 少なからず反響が入る価格に金額を設定し買主の名簿を獲得する
- 買主の名簿が増えてきたら少しずつではなく、一気に相場価格へと値下げする
物件の情報をある程度正確出すと、反響は減る可能性がある。しかし、分かったうえで内見に来てくれている買主であれば確度が上がる。また、デメリットを先に出すことによって、「思っていたのと違ったから値引きしてほしい」という交渉は少なくなる。結局金額交渉は入る可能性も高いが、「もう●万引いてくれたら買います」のような「買う交渉」になり易い。
売却活動は売主個人ではなく、不動産会社の営業担当者が行う。大切なのは営業担当者。これらを実施するもしないも営業担当にかかっている。「不動産会社の変更を検討する」が一番目なのはこの理由だ。
また、営業担当者にしっかり動いてもらうには、実は売主の能力も必要だ。頼む能力、働いてもらう能力。指示を出す能力も時には必要だろう。
もし売却に苦戦しているようであれば今すぐにでも不動産会社と話し始めたほうが良い。売主は日々自分の身を切っている。以下一括査定を利用するなどして最低でも3社査定を推奨する。簡易査定だけで終わらず、営業担当者にあって「この人から買いたい」と思えるかどうか、時間を惜しまず話を聞こう。
参考までに以下グラフは中古物件の流通推移を示している。
※引用:2016不動産流通統計(FRK)
上記グラフでリーマンショックは2008年。その翌年を見ると新築着工数は18%減、中古物件の流通は2%減となっている。流通量を2008年を起点にみるとじわじわと右肩上がりに戻っていることが分かる。
時期や売却方法に違いはあれど長く見ればデータ上はいつかは売れるタイミングが来ることが読み取れる。
長く待てる人であれば良いが、できれば早く売りたいもの。どんな時でも売れるチャンスを逃さないようにしたい。
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新たに預ける不動産会社が決まったとしても丸投げではなく、ある程度指示を出せるようにするなど、できる限りの努力を売主自身で行ってみることが必要だ。